No117見た目はボロでも味は一級品!品川のディープな居酒屋をめぐる

高層ビルが立ち並び、多くの人が行き交う街、品川。毎日の通勤だけでなく、新幹線の停車駅であり、羽田空港への乗換駅という、東京の玄関口という面も持ち合わせています。そんな品川駅の港南口にある、ディープな居酒屋が立ち並ぶ路地をご存知でしょうか。ビルの谷間に存在するこの界隈、はじめて訪れる人は、足を踏み入れるのを戸惑うほどの、猥雑な雰囲気に満ちています。この界隈でも1、2を争う居酒屋へと、今回はご案内します。

酒処

都会のエアポケットにあるもつ焼きの名店「もつ焼きマーちゃん」

品川駅港南口のディープゾーンと呼ばれる界隈は、駅から3分ほどの距離にあります。高層ビルのオフィス街しか知らない人にとっては、エアポケットのような存在でもあります。まさにビルとビルの間の細い路地を進むと、迷路のような裏路地が。その中でもひときわ賑わっているのが「もつ焼きマーちゃん」です。
店の入口には、色あせた紺色の暖簾と、スタンド看板のみ。そっけない雰囲気の外観で、引き戸を開けるのに少し勇気がいるかも知れません。引き戸を開くと、1階はカウンター。2階はテーブル席になっています。男性客で賑わう店内には、古びた短冊に書いたメニューが張り巡らされていて、並ぶ酒肴から酒好きの天国だと伝わってきます。

看板メニューのもつ焼き以外に、必ず頼むべきもの

名物のもつ焼きはくさみがなく、ストレートにもつの味を楽しめます。塩、タレ、味噌と、部位や食材によって選べるのも嬉しいところ。もつ焼きと一緒にぜひ頼んでほしいのがもつ煮込みです。白味噌仕立ての煮込みは、じゃがいもの入った珍しいもの。くさみのなかったもつ焼きとは対称的に、もつ特有の匂いを残しています。もつ煮込みを口に放り込み、その匂いを感じながら、お酒を流し込む。そんな楽しみ方がぴったり来ます。食べ終わる頃にはクセになっているはずです。

もつ焼きマーちゃん
東京都港区港南2-2-2
03-3471-5027
営業時間 17:30~23:00
定休日 土日祝

ベーコン

大迫力のベーコンステーキが名物「酒処 つがる」

この界隈には、さまざまな店がひしめいています。牛すじで有名な「路地裏」や、韓国料理の「とうがらし」など、まるで味覚の迷宮のようです。小綺麗とはいい難いお店ばかりですが、中にはお刺身や一品料理が楽しめるお店もあります。それが「酒処 つがる」です。

立ち食いそばの「ふじ」に向かって右手の、急な階段を昇った2階にお店はあります。古びていながらも、よく手入れされたテーブルや椅子と、所狭しと貼られた短冊のお品書きが、楽しい夜を約束してくれるかのようです。

お店のおかあさんのおすすめでいただく、お刺身の鮮度の良さや、ていねいに注がれる生ビール、定番料理のおいしさは抜群。でもこの店で見逃してはいけないのが、ベーコンステーキです。
こんがりと焼いた厚切りベーコンをどんと1枚、千切りのキャベツとともに皿に盛ったシンプルな1品ですが、ボリュームも満点。香ばしい匂いにビールやハイボールが進みます。

「酒処 つがる」
東京都港区港南2-2
03-3474-2013
営業時間 11:30~13:30、18:00~22:30(L.O)
定休日 土日祝

屋形船

宿場町・品川を満喫できる、屋形船という選択肢

品川駅から北へと歩を進めて、立会川のあたりまで行くと、本来の品川らしい景色が見えてきます。今でこそ埋立地となり、海が見えなくなった品川。しかし、一歩川沿いに出れば、屋形船や釣り船が舳先を並べ、海へといざないます。会社帰りに昔ながらの屋形船に乗り、東京の夜景を楽しみながら、美味しい料理とお酒に舌鼓を打つことも可能です。

屋形船の中でも、料理が定評なのは「屋形船 船清」です。天ぷらをメインにした日本料理を提供していますが、料理はコース仕立てとなっており、ちょっと特別な日に利用するのにもぴったりです。揚げたてをいただく天ぷらは、からりと軽い食感。海老や穴子を含め、季節の天ぷらを8種類ほど楽しめます。

船はお台場やスカイツリーなどをめぐり、素晴らしい東京の夜景を眺めながら、ゆっくりとお酒が楽しめます。大切な人をおもてなししたり、気のおけない仲間と過ごすひとときに、普段とは違う時間が流れる屋形船をチョイスするのも、時には良いのではないでしょうか。

品川での夜の過ごし方にはいろいろで、ディープなお店もたくさんあります。一方で、品川浦の風情あふれる屋形船に乗るという過ごし方も。TPOに合わせて、お好みの過ごし方を選べる街・品川。あなたらしい過ごし方をぜひ見つけてみてください。

東京の屋形船TOPへ